官能性高める演出の妙
投稿者:桃ゼリー 追加日:2023/08/13
異なるプロットを様々に持たせての、母のハメ姿八態……。よく見かける想定もあるが、総じて演出に光るモノがあり、なかなか見応えのあるオムニバスとなっている。例えば、「息子に性交を迫られる義母」の項では、白昼に母を押し倒して●いかかる光景の次には、暗がりの土間でスカートをめくりあげられて、バック突き暗景に代わるなど、男女の絡みの描き方が多彩。第二話では円城ひとみ嬢が出演していたが、短編にかかわらず、彼女の白い素肌を随所に晒す演出でファンサービスが手厚い。特筆すべきなのは、「家庭教師と出来上がった母」の項で、絡みの現場に旦那が踏み込んだ場面ーー。夫婦同士が鉢合わせするだけでなく、襖越しに旦那と間男の家庭教師が鉢合わせしたうえ、間男がズボンなどを抱えて戸外に脱兎のごとく逃げ出す滑稽場面も描かれ、大いに笑わせられた。エロスとコメディは相性がいい。凄惨なはずの状況なのだが、間男された旦那は「オレもやってやる」と不倫妻に挑みかかるオチになっていて、不倫がバレた妻にとっては、願ってもない結末と言えそうだった。生々しいテーマを描きながら、その性交によって泣いたモノがなく、大いに興奮させられた後は、すがすがしさが残る良作だった。